サブ4ランナーにカーボンシューズは必要ない?理学療法士が正直に答える3つの理由

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大阪マラソンを4時間10分で走った私が、サブ3.5を目指して練習する中で何度も自問したことがあります。

「カーボンシューズ、買うべき?」

カーボンシューズは、地面からの反発を強くするための靴です。ただ、そこで考えてほしいことがあります。サブ4レベルのランナー(私を含めて)は、そもそも地面からの反発を正しく受けて走れているのか?その反発を、推進力に変えられているのか?

結論から言います。サブ4レベルのランナーには、カーボンシューズは必要ありません。むしろリスクのほうが大きい。

ただし「絶対に使うな」とも言いません。地面からの反発を感じやすくなるという意味では、良い面もあります。ただし、カーボンシューズを活かすには、反発を受けてその力を推進力に変えられるだけの体の軸が必要です。まずそこを育てることが先です。

カーボンシューズとは何か

カーボンシューズとは、ソール(靴底)にカーボンファイバー(炭素繊維)のプレートが入ったランニングシューズのことです。

代表的なものはNIKEのヴェイパーフライ、アルファフライ、アディダスのアディゼロ アドバンスなどです。

これらのシューズが持つ主な特徴は2つです。

  • 反発力:着地のエネルギーを蹴り出しに変換して推進力を高める
  • 厚底ソール:衝撃吸収と蹴り出し補助を同時に行う

2019年のキプチョゲ選手の1時間59分台以来、マラソン界に爆発的に普及しました。

なぜサブ4レベルには「必要ない」のか

カーボンシューズの反発力が最大限に活きるのは、一定以上のスピードと推進力が揃ったときだけです。

理学療法士として運動力学の観点から説明すると、カーボンプレートは「足で地面を踏み、その力を前に進める推進力に変換する装置」です。立脚時に自分の体の真下に足をついて、地面をしっかり押し出せる力があってはじめて機能します。押し出す力がなければ、増幅するものがありません。

サブ4ペース(キロ5分40秒前後)では、地面への力の伝え方がまだカーボンの特性を活かしきれないレベルにあることが多いです。

つまり「高い道具を使っても、引き出せる性能に限界がある」という状態です。

サブ4レベルにはカーボンシューズは必要ない 土台づくりの図解

理学療法士として気になるリスク

ふくらはぎへの負担増加

カーボンシューズは前足部(つま先側)で推進する構造です。このため、ふくらはぎの腓腹筋・ヒラメ筋への負担が通常のシューズより大きくなります。

普段から鍛えていない筋肉に急に大きな力がかかると、肉離れやアキレス腱炎のリスクが上がります。

さらに、地面からの反発を足から頭の先まで一本の軸で受けられていないと、膝・腰・さらには頸椎(首)にまで負担がかかります。

最近、ランナーに頸椎症の症状が見られるようになってきました。「走るのになぜ首が?」と思われがちですが、デスクワーク中心の生活だけが原因ではありません。カーボンシューズによって増幅された衝撃が、体の軸が整っていないために首まで伝わっている可能性も、一つの要因として考えられます。

カーボンシューズの主なリスク 体の軸が整っていないと負担が全身に広がる図解

足裏の筋力が育たない

厚底のカーボンシューズは、足裏のアーチをシューズが代わりに支えてくれます。またロッカー機能(靴底が丸くなっていて、少し体重をかけるだけで足が転がるように前に出る仕組み)も充実しているため、楽に走れる反面、足の内在筋(足指を動かす小さな筋肉)が使われにくくなります。

シューズに頼りすぎると、足そのものが弱くなっていきます。

足の筋力を育てるという意味では、ベアフットシューズ(裸足感覚シューズ)を日常や軽い運動に取り入れるのも一つの方法です。

フォームのごまかしが起きる

厚底シューズは着地の衝撃を吸収してくれるため、フォームが多少悪くても楽に走れてしまいます。

問題は、「楽に走れている」と「正しく走れている」は別物だということです。フォームの課題が見えにくくなり、結果として伸び悩む原因になることがあります。

それでもカーボンシューズを履きたいなら

気持ちはわかります。私も持っています(笑)。

使うなら以下の条件を意識してください。

  1. レース本番だけに限定する
    練習はクッション性のある普通のシューズで行い、カーボンは本番専用にする。これが基本です。
  2. 事前にふくらはぎと体幹を鍛える
    カーフレイズ(かかと上げ運動)や体幹を使うバランス運動を日課にして、全身の軸を整えてから使う。傾斜ボード(スラントボード)を使ったストレッチもふくらはぎへの負担軽減に効果的です。
  3. 慣らし期間を設ける
    いきなり本番で使わず、短い距離から試して体を慣らす。
カーボンシューズを使うなら レースで力を発揮するための3ステップ

サブ4レベルにおすすめのシューズの選び方

カーボンシューズより先にやることがあります。

自分の足に合ったクッションシューズで、正しいフォームを作る。

具体的には以下のポイントで選んでください。

  • 自分の足幅に合っているか(日本人は幅広が多い)
  • アーチのサポートが合っているか(扁平足か、ハイアーチかで変わる)
  • つま先に1cm前後の余裕があるか

これが整ってから、サブ3.5が射程に入ってきたタイミングでカーボンシューズを検討する。それが理学療法士ランナーとしての私の結論です。

足指を鍛えるトレーニンググッズを日常に取り入れることも、足の底力を育てる近道です。

まとめ

内容
サブ4レベルにカーボンは必要か 不要。普通のシューズで十分
カーボンを使う主なリスク ふくらはぎ・首への負担増・足の筋力低下・フォームの課題が隠れる
どうしても使いたいなら レース本番限定・ふくらはぎと体幹を鍛えてから・慣らし期間を設けて
まず優先すること 足に合ったシューズ+正しいフォームづくり

サブ3.5を目指す私自身も、今の時期は練習のほとんどをカーボンなしのシューズで行っています。足を育てながら、本番で活かす。その順番が大事だと感じています。

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