「シリーズ:54歳理学療法士がサブ3.5に挑む」第1回
大阪マラソン、4時間10分。正直に言います——悔しかった。
2026年の大阪マラソンを走り終えて、フィニッシュゲートをくぐった瞬間、私がまず感じたのは達成感ではありませんでした。
時計を見た。4時間10分。
5年前の自己ベストは3時間40分。あのときと同じコースを、30分も遅く走り終えた自分がそこにいました。
足は動いていた。故障もしていない。でも、タイムは残酷なほど正直に「5年分の変化」を刻んでいた。
帰りの電車の中で、ぼんやりとGarminのデータを眺めながら、私は決めました。
「次の神戸マラソンで、サブ3.5を獲る。」
54歳。理学療法士として30年以上、人の体を見てきた私が、自分自身の体で証明する挑戦を始めます。
なぜ今、サブ3.5なのか
「54歳でサブ3.5は無謀じゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
正直に言えば、私にも迷いはありました。でも、理学療法士として30年以上、体の回復と変化を見続けてきた経験が、私にこう言っています。
「体は、正しい刺激を与えれば、何歳からでも変われる。」
加齢によってVO2maxが下がることは事実です。筋肉量が落ちること、回復に時間がかかることも知っています。患者さんたちにも、同じことを何度も説明してきました。
でも同時に、こんな場面も何百回と見てきました。60代で転倒後のリハビリから立ち上がった方。70代で再び歩けるようになった方。「もうダメかもしれない」と泣いていた人が、諦めずに続けて、想像以上の回復を見せてくれた瞬間。
体は変われる。それは私の職業的な確信です。
2026年11月の神戸マラソンまで、約7ヶ月。目標はサブ3.5(3時間30分切り)。今の自分より40分速く走ること。これが私の挑戦です。
現在地の正直な告白|Garminデータが語る「今の私」
目標を語る前に、まず現在地を正直に開示します。耳の痛い数字も含めて、全部お見せします。
| 指標 | 現在の数値 | 目標値 |
|---|---|---|
| VO2max | 46.8 | 49.5以上 |
| HRV(心拍変動) | 66〜71ms | 維持・向上 |
| 平均ピッチ | 159spm | 175spm |
| 接地時間 | 251ms | 240ms以下 |
| 上下動比 | 9.2% | 8.5%以下 |
VO2maxは46.8。同年代の女性と比べれば悪くない数値ですが、サブ3.5を狙うには49.5以上が欲しいところです。HRVは66〜71msで安定しており、回復力と自律神経のバランスはまずまず。ここは強みと捉えています。
問題は、走りの質を示す3つの数値です。ピッチ、接地時間、上下動比——この3つが、今の私の「伸びしろ」であり、「課題」でもあります。
理学療法士目線で読み解く|3つの課題
① ピッチ 159spm → 目標175spm
ピッチとは1分間の歩数のことです。市民ランナーの理想とされるのは180spm前後。私の159spmは、それより大幅に低い。
ピッチが低いということは、1歩1歩のストライド(歩幅)が大きいか、接地時間が長いか、あるいはその両方です。理学療法士として見ると、これは「股関節の伸展不足」「腸腰筋の弱化」「足の切り返しの遅さ」が複合的に関係していることが多い。
加齢とともに腸腰筋は衰えやすく、特に50代以降の女性は意識的にトレーニングしないとピッチはどんどん下がっていきます。私もその典型例です。
② 接地時間 251ms → 目標240ms以下
接地時間とは、足が地面に触れている時間のこと。速いランナーほどこの数値は短く、エリート選手では200ms前後とも言われます。
251msという私の数値は、端的に言えば「地面を長く踏んでいる」ということ。推進力に変わるべき力が、地面への押し付けに使われてしまっている状態です。
これはピッチの問題とも連動しています。ピッチが上がれば、必然的に接地時間も短くなる。逆に言えば、この2つは一緒に改善していける課題です。
③ 上下動比 9.2% → 目標8.5%以下
上下動比とは、ストライド長に対する体の上下動の割合です。この数値が高いほど、前に進む力がムダな上下動に逃げているということになります。
9.2%は、正直言って「跳ねるような走り」になっている証拠です。理学療法士として見ると、体幹の安定性不足と足首の剛性不足が主な原因として考えられます。トレイルランニングを7割取り入れてきた私にとって、体幹の使い方は得意なはず……と思っていたのですが、ロードでのフォームに落とし込めていないのが現実です。
神戸マラソンまでの戦略|7ヶ月で何を変えるか
練習量:月間250km、ロード中心にシフト
これまでは月間300kmのうち7割をトレイルで走っていましたが、神戸マラソンに向けてはロード中心にシフトします。具体的には月間250km、ロード6〜7割の構成。あえて距離を少し落とすのは、「質を上げるため」です。回復を確保しながら、一本一本の質にこだわる練習に変えます。
最優先課題:ピッチ改善
159spmを175spmに上げる。これが最大のテーマです。メトロノームアプリを使ったピッチ走、腸腰筋・臀筋の強化トレーニング、週1回のショートインターバル(200m×10本など)を取り入れる予定です。
セルフモニタリング:毎週Garminデータを確認
週に1度、Garminのデータを見直してフォームの変化を追います。このシリーズでは、毎月の進捗データもこのブログで公開していきます。いいときも悪いときも、正直に。
あなたも、一緒に挑戦しませんか?
「昔より明らかに遅くなった。」「練習しているのに、タイムが伸びない。」「もう年齢的に限界なのかな……。」
私も、そう感じていました。でも、理学療法士として30年間見てきた体の可能性が、私に言うんです。「まだ終わっていない」と。
50代の体は、20代とは確かに違う。でも「変われない」わけじゃない。正しく動かして、正しく休んで、正しく積み上げれば、体はちゃんと応えてくれる。それを、私はこれから自分の体で証明しようとしています。
コメント欄に、あなたの今の悩みや目標を書いてもらえたら嬉しいです。このブログが、あなたの走りの伴走者になれたら、それ以上のことはありません。
まとめ
- 2026年大阪マラソンの結果は4時間10分。5年前の自己ベスト(3時間40分)より30分遅かった。
- 2026年11月の神戸マラソンでサブ3.5に挑戦することを決めた。
- Garminデータが示す課題は「ピッチ・接地時間・上下動比」の3つ。
- 月間250km・ロード中心・ピッチ改善を軸に、7ヶ月で走りを変えていく。
- その過程を、このブログで正直に公開し続ける。
54歳の体で、過去の自分を超える。それがこのシリーズの全てです。
次回は「5月の練習メニュー全公開」をお届けします。どうぞお楽しみに。


コメント