2026奈良ウルトラマラソンを関門ギリギリで完走。13時間58分48秒で見えた暑さ・坂・補給のリアル

2026奈良ウルトラマラソンを13時間58分48秒で関門ギリギリ完走した完走記のアイキャッチ画像 ランニング・怪我予防

奈良ウルトラマラソンは、走る前からすでに始まっていた。

試走に行き、装備を悩み、暑さ対策を考え、交通手段や睡眠まで含めて準備してきた大会。

その準備期間については、前回の記事でまとめた。

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奈良ウルトラマラソン公式コースマップ

画像出典:奈良ウルトラマラソン公式サイト コース情報

今回はその続きとして、実際に2026奈良ウルトラマラソンを走り、関門ギリギリで完走した体験を書いていく。

第1回大会ということもあり、事前情報だけでは分からないことが多かった。

コースのきつさ、暑さ、エイドの様子、関門のプレッシャー、装備の正解・不正解。

走ってみて初めて、「これは準備だけでは読み切れない大会だったな」と感じた。

公式速報では、スタート2,784名、完走2,232名、完走率80.17%。

数字だけを見ると完走率は高く見えるかもしれない。

でも、実際に走った人の感想や完走記を見ても、奈良ウルトラは決して楽な100kmではなかったと思う。

暑さ、アップダウン、関門、補給。

その全部が少しずつ積み重なって、最後まで気を抜けない大会だった。

今回の結果

先に今回の私の結果と状態をまとめると、こんな感じだった。

項目 内容
大会名 第1回奈良ウルトラマラソン
開催日 2026年5月31日
距離 100km
結果 関門ギリギリで完走
タイム 13時間58分48秒
スタート時の体調 睡眠不足、疲労感が強く、頭も体も重かった
天候 予想より曇り空で、風が涼しく、天候には救われた
大きな課題 睡眠、寒さ対策、補給、関門までの時間管理

10kmごとの通過は、こんな感じだった。

距離 通過タイム 時刻 ペース
10km 1:09:48 6:07:50 6'59"/km
20km 2:21:16 7:19:18 7'09"/km
30km 3:43:40 8:41:42 8'14"/km
40km 5:14:21 10:12:23 9'04"/km
中間地点 6:47:34 11:45:36 9'19"/km
60km 8:09:59 13:08:01 8'15"/km
70km 9:32:24 14:30:26 8'15"/km
80km 11:00:41 15:58:43 8'50"/km
90km 12:27:01 17:25:03 8'38"/km
ゴール 13:58:48 18:56:50 9'05"/km
2026奈良ウルトラマラソンの10kmごとの通過タイムとゴールタイム

こうして数字で見ると、前半からすでに余裕があったわけではない。

30km以降は8分台、40kmでは9分台まで落ちている。

それでも60km、70km、90kmで大きく崩れきらず、最後まで粘れたことが完走につながった。

当日朝の誤算。睡眠不足と寒さで体が動かなかった

私自身、途中で何度も「もうやめようかな」と思っていた。

特に前半は、体がまったく動かなかった。

練習量を落としきらずに大会へ臨んだので、ある程度の疲労は残っているだろうとは思っていた。

でも実際には、疲労のピークに近いような重さが体に残っていた。

さらに朝4時半スタート。

いつもならまだ寝ている時間だ。

近畿圏内の大会だから行ける、という気持ちもあり、夜間から移動して、ほとんど寝ずにスタートを切ることになった。

睡眠不足が大敵の私にとっては、これは本来やってはいけないことだったと思う。

スタート前の4時台は肌寒かった。

頭もぼーっとしていて、本来なら上着を着て体を冷やさないようにするべきだった。

でも、そのままじっと待っていたために体が固まってしまい、スタート直後に動かなかったのもあったのかもしれない。

100kmの大会では、スタート前の過ごし方がそのまま後半に響く。

速いランナーの完走記を読むと、前日から睡眠や食事をかなり丁寧に整えている人が多い。

奈良ウルトラを10時間台で走り切ったランナーのブログでも、前日からの睡眠、当日朝の起床、補給、移動まで細かく計画していた。

それに対して、私の場合は「近畿圏内だから行ける」という気持ちもあり、夜間移動からのほぼ寝不足スタートになってしまった。

これは関門ギリギリで走るランナーにとって、かなり大きなハンデだった。

走力や装備だけでなく、どれだけ休めた状態でスタートラインに立てるか。

ウルトラマラソンでは、それも立派な準備のひとつだと改めて感じた。

前半。体が動かないまま始まった100km

序盤から、脚も体も動かない。

頭は半分寝ているような状態だった。

それでも気持ちは前向きだった。

ただ、奈良ウルトラのコースは「最初だけ楽で、後半から急にきつい」というより、じわじわ脚を削ってくる印象があった。

試走の時にも感じていたが、走れるアップダウンが続く。

歩くほどではない。でも、ずっと平地でもない。

この「走れてしまう坂」が、後半になって効いてくる。

高い山を一気に登るコースではないけれど、上って下っての繰り返しで脚が削られる。

私もまさに同じで、序盤に走れてしまうからこそ、後半になってから脚に疲労がまとめて返ってくる感じがあった。

100kmでは「前半の我慢」が大事だとよく言われる。

速いランナーの完走記でも、序盤は周りに抜かれても焦らず、心拍を抑えて淡々と進むことが成功要因として書かれていた。

私の場合は、我慢して抑えたというより、そもそも体が動かなかった。

でも結果的には、前半で無理に上げなかったことが、後半まで何とかつながったのかもしれない。

実際、10kmは1時間09分48秒、20kmは2時間21分16秒。

序盤から決して速くはない。

30kmでは3時間43分40秒、40kmでは5時間14分21秒になっていて、ペースも少しずつ落ちていた。

この時点で「今日は余裕を持って走れている」という感覚ではなかった。

むしろ、まだ半分も来ていないのにこの重さで大丈夫なのか、という不安の方が大きかった。

暑さは警戒していたけれど、天候には救われた

5月開催とはいえ、時期としてはほぼ6月。

体がまだ完全に暑さへ慣れきっていない時期のウルトラマラソンは、やはり難しい。

日陰が少ない区間では、走っているだけで体力が削られる。

ペースを上げていなくても、汗をかく。

呼吸は苦しくなくても、体の中のエネルギーがじわじわ減っていく。

暑さ対策として、塩分や水分は多めに意識していた。

それでも、100kmの中で暑さが積み重なると、脚だけでなく内臓や集中力にも影響してくる。

ウルトラマラソンの暑さ対策は、「暑くなってから考える」では遅い。

序盤から先回りして、水分、塩分、休憩、日差し対策を組み立てていく必要がある。

大会前から暑さへの不安は多くのランナーが感じていたし、実際に走った人の感想でも暑さは大きなテーマだった。

5月末とはいえ、体感としてはほぼ夏のウルトラ。

脚だけでなく、内臓、集中力、補給の判断まで暑さに左右された。

ただ、今回は予想していた灼熱のサバイバルというより、曇り空と涼しい風にかなり助けられた。

もし朝から強い日差しが出ていたら、関門ギリギリの私はもっと厳しかったと思う。

坂より怖かったのは、走れるアップダウンの連続

奈良ウルトラマラソンは、標高の高い山を一気に登るようなコースではない。

けれど、細かいアップダウンが多い。

上りで心拍が上がる。

下りで太ももに衝撃が入る。

また上る。

また下る。

この繰り返しで、脚は少しずつ削られていく。

理学療法士として見ても、長い下りで大腿四頭筋に負担がかかり、上りではふくらはぎやお尻、股関節周りを使う。

それが100kmの中で何度も繰り返されるので、どこか一か所だけが疲れるというより、脚全体がじわじわ重くなる。

「坂があるからきつい」というより、「休ませてくれないコース」という印象だった。

完走率80%という数字だけでは、この脚の削られ方は伝わりにくい。

関門ギリギリで走っていると、上りで歩くか走るか、下りでどれだけ脚を温存するか、その判断ひとつひとつが後半の余裕に直結してくる。

中盤。坂と補給で、粘れるかどうかが決まる

中盤に入ると、奈良ウルトラらしいアップダウンがさらに効いてくる。

坂を頑張りすぎると、後半で脚が残らない。

でも関門があるので、全部をゆっくり歩くわけにもいかない。

ここが関門ファイターにとって一番難しいところだった。

速いランナーなら「温存しながら走る」ができる。

でもギリギリで走っていると、「温存したいけど、時間もない」という状態になる。

だからこそ、上りは無理をしすぎず、下りで脚を壊さず、平地や走れる区間で淡々と進むことが大事だった。

奈良ウルトラは、気合いだけで押し切るより、脚をどう残すかをずっと考え続けるコースだったと思う。

中間地点は6時間47分34秒。

そこから60kmまでは8時間09分59秒、70kmは9時間32分24秒だった。

このあたりは、もう「走りたいペースで走る」というより、「関門に間に合うように、とにかく止まりすぎない」ことを考えていた。

エイドで何を食べるか、どこで水分を取るか、坂をどこまで走るか。

一つひとつの判断が、次の10kmに響いてくる感じだった。

補給は、持っていてよかったものと後悔したものがあった

今回はジェルを3本持っていたので、完全にガス欠になることはなかった。

これは本当に持っていてよかった。

一方で、関門ファイターになったこともあり、エイドで楽しみにしていた柿の葉寿司やそうめんなどの炭水化物系には、ほぼありつけなかった。

お菓子は出してくださっていて、それでつなぐことはできた。

ただ、ここは今後の検討ポイントでもある。

いつも大会中に眠気が襲ってくることがある。

今回も睡眠不足の影響は大きかったと思うが、普段食べ慣れていないスナック菓子やコーラで栄養を取ろうとして、血糖が大きく上下していた可能性もあるのではないかと感じた。

もちろん、これはあくまで自分の体感としての仮説だ。

でも100kmを走る体には、やはり自分で食べ慣れたものを持っておく方が安心だったと思う。

第1回大会では、エイドの量やタイミングが実際にどうなるかは走ってみないと分からない。

だからこそ、自分の補給は自分で少し多めに持つ。

これは次に同じような大会へ出るなら、かなり大事にしたいポイントだ。

奈良らしいエイドは、柿の葉寿司、そうめん、葛饅頭、冷凍あすかルビーなど、聞くだけでも楽しみになるものが多かった。

ただ、後方になると食べたいものに必ず出会えるとは限らない。

これは私だけではなく、走った人の感想を見ても、後方ランナーや関門ギリギリのランナーにとっては大きなポイントだったように思う。

ウルトラマラソンでは、エイドを楽しみにする気持ちも大事。

でも、完走を優先するなら「エイドで食べられたらラッキー」くらいに考えて、自分の補給を軸にしておく方が安心だと感じた。

速いランナーの完走記では、40分ごとにジェルを取る、電解質を計画的に入れる、胃腸トラブルを起こさないようにする、といった補給戦略がかなり細かく書かれていた。

関門ギリギリの私から見ても、これは本当に大事だった。

ただ、後方ランナーの場合は「エイドで予定通り食べる」こと自体が難しいこともある。

だから、補給はエイドに合わせるより、自分の手元にあるものを中心に組み立てる方が安心だと思った。

装備は「正解」もあったし、「次は変えたい」もあった

ウェアは、日差しのことを考えてTシャツにした。

肩の日焼けを防げたことを考えると、これは正解だったと思う。

今回使ったTシャツはこちら。

今回使ったランパンはこちら。

一方で、ウエストポーチは悩ましいところだった。

500mlボトル、ジェル、スマホ、細々したキット類を入れると、ウエスト周りの負担が大きい。

暑さを考えるとザックは避けたい。

でも補給や水分を多く持つなら、ザックの安心感もある。

このバランスは、奈良ウルトラのように暑さと補給不安がある大会ではかなり難しい。

シューズは、膝の不安もありながらカーボンシューズで走った。

結果として、大きな失敗ではなかったと思う。

ただ、100kmではシューズのわずかな違和感も後半に積み重なるので、最後まで迷うのは当然だと感じた。

今回、最後まで迷ったシューズはこちら。

関門のプレッシャーは、走りを変える

ウルトラマラソンでは、単に100kmを走ればいいわけではない。

決められた時間内に、関門を通過していく必要がある。

関門が近づくと、走り方が変わる。

本当は少し休みたい。

でも止まると間に合わない。

エイドで食べたい。

でも時間がない。

この判断の積み重ねが、後半の体力や気持ちに響いてくる。

関門ファイターになると、エイドをゆっくり楽しむ余裕も少なくなる。

奈良ウルトラは制限時間が14時間半。

暑さとアップダウンを考えると、かなりシビアに感じた。

関門ギリギリで走っていると、エイドで止まる時間、トイレに並ぶ時間、写真を撮る時間まで、すべてが気になってくる。

公開されている完走記の中にも、トイレ待ちが大きなタイムロスになったという声があった。

100kmでは、走っている時間だけでなく「止まっている時間」もレースを左右する。

私自身も、後半は「ここで何分使えるか」「次の関門までどれくらい余裕があるか」をずっと考えていた。

楽しいエイドをゆっくり味わうというより、とにかく次へ進む。

関門ファイターのウルトラは、体力勝負でありながら、時間の使い方の勝負でもあった。

終盤。残り距離より、残り時間を見て走る

終盤になると、私にとって奈良ウルトラは「あと何km」よりも「次の関門まで何分あるか」のレースになっていた。

脚は重い。

補給も思うようには取れない。

でも止まると時間がなくなる。

この状態で大事だったのは、きれいに走ることではなく、とにかく前へ進むことだった。

歩いてもいい。

ペースが落ちてもいい。

ただ、完全に止まらない。

速い人の完走記では、最後まで脚が残っていたことや、計画通りの補給が成功要因として挙げられていた。

私の場合は、最後まで余裕があったわけではない。

それでも、関門ギリギリの中で進み続けたことが完走につながった。

80kmは11時間00分41秒。

90kmは12時間27分01秒。

そしてゴールは13時間58分48秒。

70km以降は、もう気持ちだけでは進めない。

でも、数字で見ると80kmから90km、90kmからゴールまで、完全に止まってしまったわけではなかった。

最後まで9分前後のペースで粘れていた。

速くはない。

でも、関門ギリギリの100kmでは、この「止まらない粘り」が一番大事だったのだと思う。

それでも、走ってよかったと思えた瞬間

きつい大会だった。

でも、きついだけではなかった。

奈良県での開催だったので、仲間たちからの応援にもたくさん元気をもらえた。

関西のランナーも応援にたくさん来ていて、関西のウルトラマラソンのお祭りのような空気があった。

奈良の景色の中を走ること。

沿道で応援してくださる人の声。

エイドで支えてくださるボランティアの方々。

同じように暑さや坂と向き合いながら進むランナーたち。

ご自宅のホースを使って、おじいちゃんが椅子に座り、楽しそうにランナーへ水をかけている風景も何度も見られた。

地域の人たちが応援してくださる姿を見ていると、自分たちが好きで走っている姿が、少しでも誰かの楽しみになっているのかなと思えてうれしかった。

第1回大会ならではの、みんなで大会を作っている感じもあった。

準備段階からSNSで情報を共有し、試走に行き、装備を考え、当日はそれぞれが自分の100kmに向き合う。

その流れも含めて、奈良ウルトラマラソンだったのだと思う。

完璧に整った大会というより、第1回大会をランナー、ボランティア、地域の人たちで一緒に作っている感じがあった。

だからこそ、良かったことも、改善してほしいことも、次回へつながっていくのだと思う。

理学療法士ランナーとして感じた、奈良ウルトラ対策

奈良ウルトラマラソンを走ってみて、次に出る人へ伝えるなら、対策は大きく7つある。

  1. 暑熱順化は早めに始める
  2. 坂練は上りだけでなく下り対策も入れる
  3. 補給はエイドに頼りきらず、自分の食べ慣れたものを持つ
  4. ウエストポーチかザックかは、暑さと安心感のバランスで選ぶ
  5. 前日の睡眠と移動計画を甘く見ない
  6. 関門ギリギリになる可能性がある人ほど、トイレやエイドで止まる時間を計算しておく
  7. スタート前の寒さ対策を軽く見ない

特に下り対策は大事だと思う。

下りでは、太ももの前側がブレーキをかけ続ける。

ここが早く疲れてしまうと、後半の平地でも脚が出にくくなる。

大会前の練習では、上りを頑張るだけでなく、下りで脚を壊さない走り方、股関節やお尻を使って支える感覚も意識しておきたい。

そして関門ファイターになりそうな人は、走力だけでなく「時間を失わない準備」も必要だと思う。

補給を取り出しやすくする。

トイレに行くタイミングを考える。

エイドで何をするかを決めておく。

小さなことに見えるけれど、100kmではその数分が後半の安心につながる。

そして今回、私が強く感じたのは、速いランナーの完走記と関門ギリギリの完走記では見える景色が違うということ。

10時間台で走り切る人は、補給、睡眠、装備、序盤の温存が本当に計画的だった。

関門ギリギリで完走した私から見ても、その大切さは同じ。

ただ、関門ファイターにはそこに「時間を失わないこと」が加わる。

エイドで迷わない。

トイレで並びすぎない。

寒さで体を固めない。

補給を取り出しやすくする。

走力だけでなく、こうした小さな準備が、最後の数分を作ってくれる。

まとめ。奈良ウルトラは、走る前も走った後もウルトラだった

2026奈良ウルトラマラソンは、第1回大会らしい難しさもあり、暑さ、坂、補給、関門と、考えることの多い大会だった。

でも、走る前から準備し、試走し、悩み、当日走り、終わってからも「あれはどうすればよかったかな」と考える。

そこまで含めて、ウルトラマラソンなのだと思う。

関門ギリギリだったけれど、完走できた。

完璧な準備はできなかった。

走ってみて初めて分かったことも多かった。

それでも、奈良ウルトラマラソンを走ってよかった。

完走かDNFかだけではなく、100kmの中で自分の弱さや準備の甘さ、次に変えたいことが見える。

それもウルトラマラソンの大きな意味だと思う。

この体験が、これから奈良ウルトラを走る人や、初めて100kmに挑戦する人の準備に少しでも役立てばうれしい。

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